髪質改善トリートメントと縮毛矯正の違いとは？仕組み・工程を詳しく解説！

髪質改善トリートメントと縮毛矯正の違いとは？
仕組み・工程を詳しく解説！

髪質改善トリートメントの定義について

髪質改善トリートメントは、実はサロン業界においてとくに統一された共通の定義があるわけではありません。お店によって、それぞれの施術内容を髪質改善トリートメントと呼んでいるケースが多く、概ね以下の3つの施術を指しています。

• 酸熱トリートメント
• 水素トリートメント
• システムトリートメント

なかでも、現状は酸熱トリートメントが主流であることから、ここでは酸熱トリートメントを中心にして解説していきます。

 

髪質改善トリートメントと縮毛矯正の違い

髪質改善トリートメントは、髪の縮れやクセを抑える効果があることから、縮毛矯正と同じもののように混同してしまいがちですが、その目的には大きな違いがあります。

髪質改善トリートメントの目的

毛髪は、紫外線やヘアカラー・パーマなどによってキューティクルが傷んだり、髪の内部の成分が壊れたりしてダメージを受けます。そもそも「髪質改善」とは、こうした髪のダメージに対して、髪の毛の保湿や補強などのメンテナンスをすることです。ただし、一度傷んだ髪の毛は、ダメージがなくなって復活することはありません。従って、髪質改善トリートメントは、髪の毛の傷んだ部分を綺麗に見せるよう調整し、これ以上傷まないよう綺麗な状態に保つことを目的としています。

縮毛矯正の目的

縮毛矯正は、髪の毛のクセを取り、ストレートにすることが目的です。そのため、髪質改善トリートメントの目的がメンテナンスであるのに対して、縮毛矯正は施術の目的が明確に違うと言えます。髪質改善トリートメントでは、元々のクセ毛や天然パーマをストレートにすることはできないので、そのような場合は、縮毛矯正の方が向いています。

 

髪質改善トリートメント（酸熱トリートメント）の仕組みと工程について

髪質改善トリートメントと縮毛矯正が違うことをご理解いただけたところで、改めて酸熱トリートメントの仕組みと施術の工程について解説します。

髪質改善トリートメント（酸熱トリートメント）の仕組み

人の毛髪の大部分はタンパク質でできており、このタンパク質の結合状況によって、その人の髪質やクセの形状などが決まります。酸熱トリートメントは、このタンパク質の結合を一時的に強固にすることにより、髪質をコントロールする仕組みです。具体的には、酸熱トリートメントに含まれるグリオキシル酸という成分が毛髪に作用することで、「イミン結合」と呼ばれる新しい強固な結合を作り出します。

そして、毛髪本来のハリやコシが戻り、ゴワつきやクセが抑えられるのです。なお、イミン結合は薬剤を髪の毛につけるだけでは形成されず、ヘアアイロンの熱をあて、髪の中の水分を抜くことでしっかりと結合されます。対して縮毛矯正は、元々の形状を形成している髪の結合を一旦壊し、再結合させることで、髪の形状をストレートにする仕組みとなっています。

髪質改善トリートメント（酸熱トリートメント）の工程

酸熱トリートメントは、主に以下のような工程で施術されます。時間にして、おおよそ60分ほどです。縮毛矯正が90～120分くらいかかるのに対して、酸熱トリートメントは比較的施術時間が短くて済みます。

• シャンプー
• 薬剤をつける前の前処理トリートメント
• 酸熱トリートメントの薬剤をつける
• ラップなどで包み20～30分放置（加熱する場合あり）
• 薬剤を流す
• ヘアドライヤーで乾かす
• ヘアアイロンで熱をあてる

 

髪質改善トリートメントが向いている人と縮毛矯正が向いている人の違い

上述の通り、髪質改善トリートメントと縮毛矯正は、根本的に目的が違うため、向いている人にも違いがあります。

髪質改善トリートメントが向いている人

髪質改善トリートメントが向いている人は、主に以下のような人です。

• 強い髪のクセや縮れはないけど、気になっていて抑えたい
• 髪のダメージがひどく、枝毛や切れ毛に悩んでいる
• トリートメントの効果が持続せずに不満を持っている
• 髪にコシやハリがなくなり、しっかりさせたい

縮毛矯正が向いている人

縮毛矯正が向いている人は、主に以下のような人です。

• 元々強い髪のクセや天然パーマの髪質で、ストレートにしたい
• 長期間ストレートヘアを維持したい

 

まとめ